働き方の多様性が出てきている現代。状況に合わせて「時短勤務」を選択できることも多いですが、時短勤務とはそもそも何なのか。どのような条件で利用できて、給料面はどのように変化するのか。
今回の記事では「時短勤務」についての基礎知識を確認していきましょう。
目次でざっくりチェック
時短勤務制度ってなに?育休とは違うの?
時短勤務制度とは、小さい子どもを持つワーキングマザー、そしてその他様々な事情があって通常勤務が難しかったり負担に感じてしまったりする方が「ライフスタイル」と「仕事」両方のバランスを取る目的で利用できる働き方の制度です。
時短勤務は、通常の勤務時間よりも勤務時間を短くし、早く帰宅することができます。
企業や業種にもよりますが、正社員の一般的な勤務時間といえば1日8時間ではないでしょうか。
それが時短勤務を選択すると、1日4時間~6時間勤務に変動し、固定の勤務時間よりも短くなります(勤務時間はどこまで短くするか相談できたり、企業が最初から指定していたりします)
ちなみに、ワーキングマザーが利用する制度で似ているものといえば「育休」があります。
「育休」は育児に専念するために一時的に休職する制度で、育休中は基本的に会社には出勤しません。
育休は、子どもが生まれた日から1ヵ月~1年の範囲で取得する方が多いようです。それに対し時短勤務は、子どもがもう少し成長して幼稚園や保育園に通う年齢でも適用することが可能で(職場によっては子育てによる時短勤務は、子どもの年齢上限がある場合あり)勤務時間自体は短くなるものの、休職をせずに働き続けることができます。
時短勤務で勤務時間と「給料」まで変わる!?
時短勤務をすると通常勤務と比べて確実に勤務時間は短くなります。
その分、大抵の場合で「給料」についても変わってきます。
そこで気になるのは、時短勤務を選択することによって毎月の給料はどれくらい変わってしまうのかですよね。
「減りすぎたらどうしよう」という漠然とした不安を抱えている方も実は多いのではないでしょうか。
時短勤務の給料制度の計算方法
時短勤務の給料の計算方法は企業によりバラバラです。
上司に直接確認するのが最も手っ取り早い方法ですが、定番の計算をご紹介すると以下の通りになります。もちろん、企業によっては全然別の計算が適用されることがありますが、だいたいどのような感じかイメージを把握したいという方はぜひ、参考にしてみてください。
通常勤務 | 週5日勤務(月間20日勤務で計算)×1日8時間勤務=160時間勤務 |
時短勤務 | 週5日勤務(月間20日勤務で計算)×1日6時間勤務=120時間勤務 |
仮に月給が200,000円だとすると、200,000÷160(時間)は1,250。
すなわち、通常勤務なら時給が1,250円という計算になります。
通常勤務で月給200,000円をもらっていたなら、時短勤務になった後は時給1,250円×120(時間)=月給150,000円という結果に。
月給は200,000円⇒150,000円になります。
こちらはあくまでもわかりやすいように月給200,000円を例に計算しましたが、もし、もっと月給が高くて、時給も高いなら、勤務時間が減ったことによる金額の減少度を感じやすくなります。
※上記はあくまでも一例です。
企業によっては時短勤務の場合別の計算方法を用意していたり、その他の手当でカバーしてあまり給料が減らないようにしてくれたりするところもあるようです。
時短勤務は以前の給料の何割減と決まっていることもある?
企業の中には、以前の給料から何割減らすと決まっているところもあるかもしれません。
時短勤務を検討している方は、まずは上司に相談してみましょう。
上司に相談すれば、具体的な給料の金額も把握できます。
時短勤務だと賞与がない?
時短勤務に変わっても、これまで正社員として真面目に勤めてきたなら賞与はあります。
賞与の金額は通常勤務時代よりも少なくなるかもしれませんが、基本的にほとんどの企業で賞与はあるはずなので、こちらについても気になる方は確認しましょう。
時短勤務は手取り額が少ない?
時短勤務は勤務時間が短い分、手取り額も少なくなるのが自然です。
ただし、企業によっては時短勤務でも手取りが変わらない措置を取っていることもあるかもしれません。
例えば、子どもを持つワーキングマザーに特別な手当を出していて、結果的に時短勤務になってもそれほど手取り額が変わらない場合等。
女性の待遇が良い職場も増えていることから、もしかしたら手取り額の変動を抑えることができるかも?
とにもかくにも上司に相談してみましょう。
時短勤務は許されるのは子どもがいる主婦?
時短勤務を利用する例として多いのは子育て中の主婦の方。最近では男性で育児や家事を積極的に手伝う方も増えていることから男性が時短勤務を申請する例もあるようです。
時短勤務になる可能性がある事情!「子育て」「うつ病」「介護」
そして、子育て以外にも時短勤務を取得することが可能な事情もあります(※企業によって規定は変わってきます)
肉体面の病気の治療を行いながらの勤務
親族の介護
子育てだけではなく、このような理由でも時短勤務を申請する例はあります。
子育て時短は小学生になると時短勤務なし残業ありになることも多い
子育てを理由に時短勤務を選択した後、子どもが小学生になる頃には時短勤務なしに戻さなければいけないことも多いです。
それは企業との話し合い次第ですが、企業側が「時短ではなく通常勤務に戻せる?」と、確認するよりも先に自ら「通常勤務に戻してください」と伝える方も多いようです。
時短勤務を選択するのは男性よりも圧倒的に女性が多いですが、現代は女性にも出世の道が広がっていることもあり、キャリアを意識して早めに時短勤務を卒業する道を選択する方も多いようです。
家庭を持ち、仕事もバリバリこなすというのはとても大変なことです。
時短勤務を卒業しても無理しすぎないことが大切です。
時短勤務は子どもが何歳までなら認められるもの?
時短勤務が認められる目安は企業よって様々です。保育園や幼稚園に入れる年齢までという決まりにしている企業もあれば、小学校卒業までの広い範囲で認めている企業もあるようです。
保育園や幼稚園に入れる年齢になったとしても、このご時世夜遅くまで預かってくれる保育園や幼稚園は枠がいっぱいで入れず、早めに迎えに行かなければいけない保育園や幼稚園しか見つからないということもあるかもしれません。
「年齢的に時短勤務は無理」と、諦めてしまう前に企業側に相談するという選択肢もあります。
相談の結果、時短勤務できる期間が長くなる可能性もあります。
最近では企業全体に就業者を大切にする動きがあるので、意外と理解を示してくれる可能性はあるかもしれません。これまで働いてきた職場に馴染んでいて、仕事に満足しているなら、働き方で悩んだとしてもできれば辞める方向にはしないほうが無難です。
子育て中のワーキングマザーの再就職は、待遇の良いところを目指すほど難易度が上がるようです。
「時短勤務はダメといわれた!?」法律では認められていないの?
時短勤務は、実は法律で認められている制度です。
正式に制度として定めるように決まっているので「時短勤務はダメ」という職場があるなら、職場の考え方に問題があるといえます。
とはいえ、職場の事情として時短勤務になるとどうしても仕事が回らないといった事情ゆえの場合もあるので、もし「時短勤務しないで欲しい」といわれてしまったら話し合うことが大切です。
時短勤務は甘え?同僚からの見る目は変わる?
時短勤務を検討する方にとっての心配の種は「同僚の見る目」ということは意外と多いのではないでしょうか。
元々それほど忙しくない職場だったり、既に時短勤務を選択しているワーキングマザーが多い職場だったりすると気兼ねないですが、問題は「自分がその職場唯一の時短勤務になる場合」ではないでしょうか。
時短勤務になると周りの目が不安かもしれません。
しかし、大抵の職場で周りも理解を示してくれるので堂々と時短勤務を選んで大丈夫です。
仮に態度が冷たくなる同僚がいたら、その同僚のほうに問題があります。企業に勤めてお互いに関わっている以上助け合いは必要です。どのような人でも、1人で何でも完璧にこなすことはできません。必ず誰かにどこかで支えられています。
大抵の方は、事情があってもきちんと出勤していて偉いなと考えてくれるはずです。
時短勤務にするのに迷う!時短勤務?通常勤務?どちらが良い?
時短勤務をするか、通常勤務のままでいるか。
自分自身としてはどちらでも可能な状況にいる場合。迷ってしまいますよね。
選択を決めるときは時短勤務を選択する理由で考えると良いかもしれません。
例えばうつ病で時短勤務を選択しようか迷うなら、選択したほうが良いことが多いのではないでしょうか。うつ病は無理しすぎずしっかり睡眠を取ることが大切です。
時短勤務を検討する理由が子育てなら、体力的な面を加味して考えましょう。
「これまで通り、家事も仕事もこなせる」と考えていても、気付けばどんどん体力的には消耗して、イライラピリピリ。子どもに八つ当たりしてしまい自己嫌悪・・・というような状況になる可能性があるなら、少しの期間時短勤務でいても良いのかもしれません。
まとめ!事情がある方は時短勤務を上手く活用しよう
今回の記事では、働き方の制度「時短勤務」に視点を当てて、基礎知識を中心にご紹介しました。
時短勤務は事情があって早く退社したい方にとっては、とても便利な制度です。
時短勤務制度があるから、仕事を辞めずに済むという状況もあるのではないでしょうか。
時短勤務の条件は企業によってバラバラということもあるので、興味がある方は上司に相談と確認をしてみてください。
快適な働き方を目指しましょう!
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